Despair of truth
そんな思いの篭ったアーサーの睨みに気づいたのか、アスランは無言で俯く。
「タリア…」
そんな彼を哀れに思ったのか、或いは彼の言った作戦しかもう手はないと議長も思っているのか。
……確かに今は、この状況から無事に脱出する手立ては、彼が言った、あの方法しかないようだ。
やっても危険、やらなくても危険…なら━━
「確かにね…。いいわ、やってみましょう」
「?!、艦長っ!!」
まさか、こんな無茶な作戦を自分が許すとはアーサーはも思っていなかったようだ。
思わず副艦長席から立ち上がりかけ、信じられないとタリアを呼ぶ。
「この件は後で話しましょう、アーサー。右舷側の火砲を全て発射準備、右舷スラスター、全開と同時に一斉射。タイミングを合わせてよ」
アーサーの言い分も分からないわけではないが今は一刻を争う。
無事に終わったら、ここにいるクルー全員のお小言でもなんでも聞こう。
それを出来るように、この作戦を成功させなくては…。
「……ッ」
背中に彼の息遣いが聞こえる。
顔が見えなくても彼の苦渋の表情が分かるようだ…。
でも、これが成功すれば、彼とアーサーの溝も少しは無くなるだろう。
コーディネイターは元々同族意識の強い人間だから。
「右舷側、火砲全て発射準備!合図と同時に右舷スラスター全開!」
これに全てを賭ける!
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