Despair of truth




遅かった…。

ミサイルはミネルバの横の小惑星を破壊する。

そして砕かれた岩はミネルバに━━━

「きゃあああ!!?」

「うわあぁッ?!」

大きな衝撃を受けて、艦体が激しく揺れ動く。

「……くっ…!!」

皆、それぞれにしがみついて衝撃に耐える。

それでも砕けた岩は容赦なく逃げるミネルバを襲った。

「右舷がぁ!? 艦長!」

「離脱する、上舵十五!」

だが、敵も易々とこの絶好の機会を見逃す筈がなかった。

「さらに第二波 接近ッ!」

「減速二十!」

グラディス艦長も負けずに抗う。


そして、戦艦ミネルバは━━…

「四番、六番スラスター破損。艦長!これでは身動きが…!」

「進路、塞がれます」

「さらにMA、MS接近!」

「…ッ!」


まさに絶体絶命。

前方が巨岩で塞がれたことにより、ブリッジは更に深い闇へと変わっていく。

まるでミネルバの今を表している見たいだ…


「エイブス、レイとセリーナを出して」

『ハッ!…しかし、カタパルトが…』

「歩いてでも何でもいいから!急いで!!」

切羽詰まった声。

しかし、八方塞がりのこの状態でも艦長は勝機を諦めていないようだ。

「シン達は?」

「インパルス、ザクが依然、カオス、ガイア、アビスと交戦中です」


二人に頼ることはもう無理だろう。

回りのMSとMAはレイとセリーナに任せるしかない。

後は、ミネルバ自身がどうにかするしか…


「この艦には、もうMSはないのか!」

そこに、今まで静かに傍観していた議長が耐え兼ねて声を上げる。


「パイロットがいません」

その応えに艦長も毅然と告げる。

「っ!?」

だが明確に告げたグラディス艦長のその言葉は、アスランの胸に深く突き刺さった。


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