Despair of truth




━━名は、その存在を示すものだ。


ならば、もしそれが偽りだったとしたら…?


それが偽りだとしたら…

それは、その“存在”そのものも偽り……という事になるのかな?


アレックスくん…

いや、


アスラン・ザラくん…?


*******


「メイリン、シン達を戻して! 残りの機体も発進準備を」

「はいっ!」

「マリク!小惑星表面の流球を上手く使って直撃を回避!」

「はい!」

「アーサー!迎撃っ!」

次々に指示を飛ばし、最悪の状況を回避しようと奮闘するタリア・グラディス艦長。

だが、戦況は悪化するばかり…

「デイル機、シグナルロストです!」

俺は歯噛みをしながら、その状況を見ている事しか出来なかった。

(また、俺は何も出来ないのか…)

オーブで毎日のように感じていた虚無感が此処でも俺を襲う。

お前は何も出来ない…。
お前には何もすること等ないと━━頭の中で誰かが囁く。

「っ……」



その姿を二対の瞳が左右から静かに見つめる。


27/40ページ
スキ