Despair of truth
━━名は、その存在を示すものだ。
ならば、もしそれが偽りだったとしたら…?
それが偽りだとしたら…
それは、その“存在”そのものも偽り……という事になるのかな?
アレックスくん…
いや、
アスラン・ザラくん…?
*******
「メイリン、シン達を戻して! 残りの機体も発進準備を」
「はいっ!」
「マリク!小惑星表面の流球を上手く使って直撃を回避!」
「はい!」
「アーサー!迎撃っ!」
次々に指示を飛ばし、最悪の状況を回避しようと奮闘するタリア・グラディス艦長。
だが、戦況は悪化するばかり…
「デイル機、シグナルロストです!」
俺は歯噛みをしながら、その状況を見ている事しか出来なかった。
(また、俺は何も出来ないのか…)
オーブで毎日のように感じていた虚無感が此処でも俺を襲う。
お前は何も出来ない…。
お前には何もすること等ないと━━頭の中で誰かが囁く。
「っ……」
その姿を二対の瞳が左右から静かに見つめる。
.