Despair of truth
搭乗機で待機していた僕たちパイロットに、管制でルナマリアの妹━━メイリンからグラディス艦長の指示が伝えられる。
シンとルナで先制。
サポートにショーン、デイルがつく事になった。
僕とレイは指示があるまで待機。
「シン、ルナ…気をつけてね」
『大丈~夫っ!デブリ戦は苦手だけど、今度は機体もバッチリだし』
『それに気をつけてって、セレナだって出るかもしれないんだぞ。気をつけろよ』
セレナは何処か抜けてるからなぁ
眉尻を下げて見てくる顔は、まるで妹(実際は年上だが)を心配する兄だった。
(クスッ……やっぱり、シンは優しいよ、ルナ)
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『…セリーナ』
「っ!」
突然自分の機体に繋がった通信。
「レイ?」
どこか冷めたような落ち着いた声は、自分と同じようにその場待機を命じられたレイだった。
「…なに」
『分かっていると思うが、アスラン・ザラには不用意に近づくな』
なんの脈絡もない、唐突な言葉。
だが、セリーナ━━セレナは直ぐにその話の内容を理解した。
「…分かってる」
俯いて話すその顔に、いつもの明るさはない。
しかし、レイはそんな事などお構いなしに淡々と話を進める。
『確信はないが、恐らく彼はお前に何かを感じている』
「えっ…。アスランが?」
自然と頬が緩んでくる。ヘルメット越しに両手を当てて緩みきった顔を隠そうとするが、喜びの顔は隠せない。
それを見たレイは鋭い眼光で彼女を睨みつけた。
『だから不用意に近づくなと言っている。今は、まだお前の事がばれる訳にはいかないんだぞ!』
「…分かってるよ」
『前にも言ったが、お前が議長の邪魔をするというのなら、俺は容赦は』
「…しないよ、僕━━私は、もう決めたんだから」
自分で、自らの進むべき道を━━…
『……ならばいい』
それきり、レイは通信を繋いでくることはなかった。
信じてくれたのだろうか?
彼が自分に対して邪険な態度をとるのはしょうがない。
それだけの理由が彼にはあるのだから。
そして、そんな態度をとらせている原因が、僕にはあるから…。
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