Despair of truth
「機体は大丈夫だったの、ルナ」
地を蹴ってこっちに向かって来るセレナにルナマリアは手を差し出して受け止めてあげる。
「うん、直して貰った。セレナの方は?」
「倒れた時に配線が何本か切れてたみたい。でも、もう大丈夫」
そっか、と笑顔で応えるとセレナも笑ってうん、と返してくれた
「あ、そうだ。セレナ知ってる?いまミネルバにオーブの代表とアスラン・ザラが乗ってるって!」
「…え」
まるで時が止まったかのように動きを止めた彼女をルナマリアは驚いているのだと解釈した。
「あっ、やっぱりセレナも知らなかった?」
「な、何で…?あの二人は…シェルターに避難した筈じゃ…」
目に見えて動揺している彼女にルナマリアは首を傾げた。
「私もよくは知らないけど…。避難もままならなくて機体を借りたって言ってたから、逃げ遅れたんじゃない?」
ルナマリアの説明にセレナはそんな…と酷く落ち込んでいる様子だった。
「…? 何でセレナがあいつらの事そんなに気にするんだ?」
「え?…ぁ、それは…」
口籠もってしまった彼女を不審に思って近づこうとすると、横からルナマリアがシンの腕を掴んできた。
コソコソ
「馬鹿ねぇ、セレナは議長の護衛してたから一緒にいた代表たちの安否も気にしてるのよ」
セレナに背を向けて小さな声でルナが俺に話す。
「議長はともかく何でアスハの事までセレナが気にする必要があるんだよ」
シンの言葉にルナマリアは呆れ顔になる。
「あんた馬鹿ぁ?プラントで他の国の代表が重傷を負ったり、行方不明なんてことになったら国の死活問題になるかもしれないでしょ!」
セレナはそれに責任を感じてるの!
━━と言われて後ろを振り返ればセレナがまだ思い詰めた顔で考え込んでいた。
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