Despair of truth




突如、ハンガーの扉を無数の光が貫いたかと思うと、激しい轟音と共に扉は粉々に粉砕した。

そしてその爆風は遠く離れた此方にまで及ぼうとしていた。


「議長!!」

「カガリ!!」



(……えっ…?)



「ゎ!…なに━━」

俺とほぼ同時に反応したのは、やはり紅服の少女だけ。

少し遅れて他の護衛たちも議長を守るように覆い被さった。



「…っ…すまない、アスラン」

「あっ、…あぁ。いや…」





(……なんだ。今のは…)

その時、俺は奇妙な感覚に襲われた。


何がどうなのかは自分にも分からない……

分からないが、爆風からカガリを庇うまでの間に確実に何らかの違和感を感じた。


━━自身にではなく、周りの何かに……。



暫くすると爆風も治まり、原因のハンガーに目を向ける。

すると、そこには見たこともない3機のMSが威風堂々と立っていた。



「…!…ガンダム?!」

そのMSを見てカガリは唖然とした表情で呟いた。

俺もその風貌を見て過去の嫌な記憶が甦る。
目の前の3機は、かつて自分がヘリオポリスで地球軍から奪取した機体『Xシリーズ』に酷似していたからだ。



「…カオス!ガイア!…アビス!?」


近くにいた整備士の作業着を着た男があの機体を見ながら聞き慣れない言葉を口にした。

恐らく、あの新型の名称なのだろう。





「姫を早くシェルターに!…ミネルバにも応援を頼め!」

その尋常ではない状況を瞬時に理解した議長が周りに指示を出す。



「セレナ!君もミネルバへ!」

議長が『セレナ』と読んだのは彼の隣にいた、あの紅服の少女。


「……頼んだよ」

その最後の言葉には、議長の哀しみが少し垣間見えたような気がした。


「…ハッ!了解しました」

それとは逆に『セレナ』は安心させるように微笑んで敬礼をした。




(!?…まただ…)


また違和感を感じた。



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