Despair of truth
『じゃあ、行って来るね。アスラン』
『あぁ、気をつけてな』
キスをして、暫しの別れを告げる俺たち。
これからキラは俺の母、レノアがいるユニウスセブンへと向かう。
あまりプラントの家に帰ることのない俺の両親に、日頃の感謝を込めて、何かしたいとキラが言ってきた。
今日は2月14日『バレンタイン』だから━━
キラは母のいるユニウスセブンで小さなパーティーがしたい、と言っていた。
勿論、母上には内緒でだ。
キラは父上も一緒にと思っていたらしいのだが、父のこの先のスケジュールを確認して、とてもじゃないが無理だと告げる。
では、せめてもの気持ちにクッキーを渡すと言うので、その役は俺が買って出ることにした。
だからキラには、先にユニウスセブンへ行って準備をお願いした。
その時の俺は、まだ知らなかった…。
この時の俺の判断が自分を救い。
キラの元気な姿を見る、最期になろうとは…
俺たちの運命は
ここから狂って行ったのかもしれない。
『また後でね、アスラン』
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