Jigsaw puzzle《完結》




「……ぅッ」

そうしていると、不意に抱きしめていたキラからくぐもった声が聞こえた。

「キラ…?ぁ、ごめん!」

キラに負担が掛からないようにしていたつもりだが、被さっていることに変わりはない。

やはり、苦しかったのだろう。

「ごめんな、キラ、苦しか━━━」

ぎゅうっ!!

「えっ?…ちょっ!」

彼女の上から身を引こうと動いたら、いきなりその彼女に抱きしめ返されてしまった。

驚いてキラの顔を見ようとしたけれど、それも叶わない。

キラが俺の肩に顔をうずめて全く離れようとしないからだ。

「ぁ……えっと…キラ?」

「………」

無言の彼女。
仕方がないので、その状態のまま話すことにした。

「キラ?どうした…?」

「━━━とぅ」

「え?ごめん、もう一回」

蚊の鳴くような声で語尾しか聞きとれずにもう一度聞き返すとキラはもじもじしながらも、ゆっくり噛み締めるように話し始めた。

「おはよぅ、…アスラン。……ただいま…?」

話しながらおずおずと見せた顔には涙が滲んでいた。

でも…


「うんッ……おかえり、キラ…」

その顔は子供の頃と変わらない、仲直りした後の曇りのない笑顔。


「おかえり…キラ」

「…ただいま、アスラン」


二人は暫くの間、互いの温もりを確かめるように無言で抱きしめ合っていた。

言葉はいらない。

何も言わなくても分かっているから。


やっと…やっと、あの頃の二人に戻れたのだから━━。


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