Jigsaw puzzle《完結》
だって、彼は泣いていたから。
表情は笑ってるのに涙を流していたんだ。
だから聞いた。
「悲しいの…?」って
そのエメラルドグリーンの瞳から零れる綺麗な雫を拭おうとしたけど、僕の手は言うことを効かずに指先だけが彼の頬をかする。
「違うよ、キラ」
何が違うの…?アスラン
届かない僕の手を握りしめ、アスランは自ら顔を近づけて言った。
「悲しいんじゃない……、嬉しいから泣いているんだ…」
分からないよ、アスラン。何がそんなに嬉しいの…?
涙を流すほどに━━…
困惑しているキラを見てアスランはクスリと笑い、寝ているキラに覆い被さる。
「もちろん、俺の眠り姫が目覚めてくれたからだよ…」
耳元で囁いてキラを抱きしめる。
彼女が苦しくない程度に優しく、触れるだけの抱擁を。
「おはよう、…キラ」
━━俺のお姫さま…
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