Jigsaw puzzle《完結》
「君たちは、キラの友達の…」
つかつかつか、ガシッ!?
「ちょっと来なさい…」
「へっ?? ちょっ!あの━━」
キラの友達━━赤髪の少女フレイ・アルスターに腕を掴まれた俺は、有無を言わさず病室から連れ出されて━…
「あんたねぇ!返事するとか、もうちょっと早く出て来るとか出来ない訳!?」
と、叱責を受けた。
連れて来られたのはキラの病室から少し離れた階段の踊り場。
キラの事を考えて場所を移してくれたのだろう。
俺へのこれ=叱責は、早く出て来なかった事への当てつけだろうが…
「フレイったら、ザラ君だってきっと疲れてるのよ」
傍にいたもう一人の少女ミリアリア・ハウが宥めてくれた事により、赤髪の…フレイも少しは落ち着いてくれたようだ。
確か、キラは彼女の事をミリィと呼んでいたな
後でちゃんとお礼を言っておこう。
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まだ、ちょっと(いや、かなり…か?)不機嫌そうなフレイ達(?)に、さっき思った事を口にしてみた。
「でも、どうして君達がここ(病室)に…?」
ヤマト家での出来事は昨日の事で、彼女たちが知っている筈がないし…
それに今は朝の七時。面会時間には程遠い時刻だ。
「…たまたまよ」
その疑問にはフレイが仏頂面でだが答えてくれた。
「たまたま、キラの家に電話したのよ…。そうしたら誰もでないから、嫌な予感がして、アンタの家にかけて……。レノアおばさまから少しだけ、聞いたわ…」
次第に語尾が小さくなるフレイに、アスランはもう一つ疑問に思っていた事を聞いてみた。
「そう、か…。でも、よくここまで入ってこれたな」
この答えに彼女は「当たり前でしょう!」と腕を組んで高飛車に言った。
「この病院はパパが支援してるんだから」
なるほど…つまりは脅したのかι
そう言えば、彼女はアルスター事務次官の令嬢だったな、と頭の片隅で思い出す。
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