Jigsaw puzzle《完結》
「な、なに言ってるんだ、キラ。こんなのいつものおばさんじゃ━━」
「母さんだよ!母さんなの!」
必死に訴えてくるキラの瞳には涙が滲む。
「……キラ」
切羽詰まったキラの顔を見たら、俺は何も言えなくなった。
それと同時におばさんを押さえ込んでいた力も自然と緩んでしまい。
「…ぁああああっ!!!」
その隙をついて、カリダはアスランの腕の中でまた暴れだす。
「くぅっ!!?」
「母さ━━ぁ……」
カリダを押さえ込むと同時に聞こえた不自然に途切れる声。
訝しげにそちらを向けば……
「!!? キラァッ!!」
俺の足元に跪いていたキラは、おばさんが暴れた拍子にバランスを崩して階段へ投げ出されてしまっていた。
「くッ!」
カリダの拘束を解いて落ちていくキラに必死で手を伸ばす。
(頼む…届いてくれっ!!!)
祈りが通じたのか、辛うじて掴むことの出来た手首を力一杯引き寄せ、キラの受ける衝撃を少しでも和らげる為に、彼女の頭を自分の胸に押し付けるように抱きしめた。
(…キラッ!)
それから一瞬、身体に痛みが走ったかと思った後、俺達はゴロゴロと階段下まで一気に転がり落ちていく。
「━━つぅッ!!」
下に辿り着くのは、本当にあっという間だった。
俺達は玄関の扉に叩きつけられて、なんとか止まることができた…
「キ…ラ…?大丈━━うああぁっっ!!?」
キラの様子を確認しようと床に手をついた瞬間、俺の手首を激しい痛みが襲った。
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