Jigsaw puzzle《完結》
━━━━━…
「…んっ」
眩しい光に目を開けると窓から真っ赤な夕焼けが見えた。
どうやら、いつの間にか眠ってしまったらしい。
「いま何時だろう…」
眠気の覚めないなか、手探りで携帯を探す…
━━と
ダンッ!!ダンッ!!
「キラ!いるんでしょ。開けなさいっ!!」
壊れるかと思うほど扉を叩く音と女の人の怒声が聞こえてきた。
「かあ…さ…ん?」
あの声は母━━カリダのもの。
キラは急いで扉に近寄り鍵を開ける。
カチャッ
「母さん、どうし━━きゃッ!」
どうしたの?と続くはずだった言葉は乾いた音に阻まれた。
その場に倒れたキラは、そぉっと熱が篭もる頬に手を添える。
「…っぅ」
左頬がヒリヒリする。
叩かれたのだ。
他人事みたいに考えていると視界に母の影が映った。
ゆるゆる頭を上げると眉を吊り上げた不機嫌な母の顔。
「キラ…母さん前も言ったわよね。なんで母さんの言う事が聞けないの!!」
「やっ!…母さッ、っ…痛いよ」
頭や顔を庇いながら、ただジッと抵抗もせずに耐えるキラ。
だが、その顔にはうっすら笑みが浮かんでいた。
そうだよ、母さん
僕、此処にいるよ…
此処にいるよ
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