Jigsaw puzzle《完結》
「………」
「………」
何も言わない自分に痺れを切らしたのか、彼女はふぅーと息を吐いた。
「大体の見当はついていますけれどね…」
そう言ってラクスは底の見えない笑みを浮かべる。
「……っ」
とうとう彼女の視線に耐え切れなくなったアスランは、ごまかすように目の前の仕事に戻る。
そんなアスランの態度を気にするでもなく、ラクスは微笑するだけで、それ以上追求しようとはしなかった。
その事にアスランは安堵の息を漏らし、心の中で彼女に感謝した。
カリカリカリカリ━…
そして室内には、また二人のペンの音だけが響いた。
******
ギィ…
「ただぃ…ま」
キラは恐る恐るドアを開けた。
一日ぶりに帰った我が家は、まだ四時前だというに家の中は真っ暗で物音一つしない。
それは、数年前からの変わらない“いつもの光景”だった。
「ふふっ…。そんな魔法みたいなこと…ある訳…ないのに…」
また期待してしまった。
ただの夢なのに…
でも、もう慣れた。
失望する事には慣れてしまったから。
「諦め悪いなぁ…」
キラは自虐的な笑みを浮かべると、靴を脱ぎ散らかすして自分の部屋に向かった。
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