Jigsaw puzzle《完結》




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カリカリカリカリ━━…


放課後━━室内に響くのはペンを動かす音と…


「…はぁ」

呼吸との区別が難しい小さな小さな溜め息。

カリカリカリ…

「…はぁ」

黙々と書類整理をしていた手が止まって、また溜め息。

「あらあら?アスラン、どうしましたか?顔色が優れないようですけど…」

おっとりとした口調で尋ねてきたのは、前の机で同じように書類整理をしていたピンクの髪を一つに纏めた少女。

「クライン会長…。いえ、何でもありません」

努めて自然に言ったつもりだった。

でもクライン会長は、その答えにふふっと微笑んでこう返した。

「では、何かがあるのですね(にっこり)」

「えっ!!?」

そんな俺の解りやすい反応を見てクライン会長は、また微笑んだ。


「~~~///」


……俺はこのラクス・クライン生徒会長が少しだけ苦手だった。

別に会長の何かが悪いという訳ではない。

彼女はとても綺麗だし、優しいし、歌だってプロダクションにスカウトされるくらい上手だし、俺も彼女の歌は嫌いじゃない。


…でも、そういう事じゃなくて

何と言うか…。

彼女の瞳は、俺の心の中まで全部見透かされている、というか

思い込みかもしれないけど、そんな錯覚に陥ってしまう彼女の雰囲気が何だか苦手だ。


キラと…

彼女と今の俺の状態まで知られているようで、少し怖いんだ。


キラと俺の事には、正直誰にも入って欲しくはない…


…だって、彼女の憂いを取り除くのは、いつだって自分が一番で在りたいから━━…


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