Jigsaw puzzle《完結》





「…ぁ」

眩しい日の光りに目を開けると、そこには見慣れ始めた白い天井があった。

「……ゆ…め?」

掲げていた手をぼんやりと見つめながら、まだ働かない頭で思った。

「やっぱり…夢。…そう…だよね」

今更、僕は何を期待しているんだろう。

もうあの二人が笑ってくれることなんて…


そう思い、着替えるために立ち上がろうとした時、控えめなノックの音が聞こえた。

コンコン
「キラ、起きてる?」


「アスラン?…起きてるよ」

ベッドから下りてドアを開けると、そこには制服をキチンと着こなしたアスランの姿があった。

でも…

「…あれ?アスラン、今日は生徒会の集まりはいいの?」

普通の当校には何ら問題のない時間だが、アスランは一年で唯一、生徒会役員に抜擢されている。

故に朝の集まり等には強制的に参加が義務づけられている訳で。

何時もなら彼は、もうとっくに家を出ている時間の筈だ。

キラが疑問に思うのも当然の事。

それが分かったのか、彼は「あぁ」と優しく笑う。

「今日は休みなんだ。会長が『たまには休んで下さい』ってさ」


「…そう」


「それで久しぶりに皆で朝食を、って思ってね」

確かに最近は朝食どころか、アスランとはろくな会話をした覚えがない。

彼は、朝は早くから夜は遅くまで生徒会に駆り出されているから。



━━あれ?


そこでキラは先程の言葉に少し疑問を覚えた。

「……皆?」

キラのもっともな疑問にアスランは苦笑する。

「そうなんだ。実は父上と母上が昨夜、帰って来てたみたいで。キラが泊まってる、って言ったら…」

その時の事を思い出しているのか、アスランはまた小さく笑っていた。


…とても幸せそうに━━



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