Despair of truth





そして彼女は今も、その試練をぶっつけ本番も同じ状態で会談に臨んでいる。

「だが、未だにこの案件に対する貴国の明確な御返答が得られない…ということは、やはり複雑な問題なのか…?」


 これには俺以外のオーブ随員二人も顔を見合わせて驚いた。

議長もその柳眉を潜めたが何も言わず、静かにカガリの話を聞いていた。

 彼女の裏表のないストレートな言葉は長所の一つだが、時と場合によってはそれは短所にしかならない。

特にこのような場所では

「我が国は再三再四、かのオーブ戦の折に流失した、我が国の技術と人的資源のそちらでの軍事利用を即座に止めて頂きたいと申し入れている!」

 尚もカガリは言い募る。
何故、聞き入れて貰えない。またあの悲劇を繰り返すつもりなのか!
…と心中で叫ぶように

「なのに、何故!未だに何等かの御回答すら頂けない!」

 彼女の嵐のような発言も何処吹く風。

 涼しげな顔で始終不敵な笑みを浮かべていたデュランダル議長は、徐(おもむろ)に立ち上がると、オーブ代表に話しかける。

「…では姫、少し彼らの仕事振りを御覧になりませんか?」

「……え?」

「!?」

思いもしない申し出にカガリはもちろん、随員の俺たちも驚いた。



━━議長…?



いったい……何を考えて……




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