Innocence《完結》
━━C.E.72
オーブ連合首長国
もうじき、太陽が西の空に沈もうとしているなか、一つの小さな島に小型ヘリが降り立った。
コンコン
……カチャッ
「あらぁ、アスラン。
いらっしゃいませ」
アカツキ島にあるマルキオ導師の伝道所を訪ねると迎えてくれたのはピンクの波打つ髪が美しい少女。
「ラクス、突然すまない」
「いいえ、よくお出で下さいました」
突然の訪問にも関わらず少女、ラクスは優しい笑みで自分を迎えてくれる。
でも…
「みなさーん、アスランがいらっしゃいましたよ」
「「「えぇ~~っ!!!」」」
ラクスが振り返った先にいたのは、戦災孤児となった子供達。
「ダメ! アスラン来ちゃ、ダメ!」
「違うよ、アレックスだよ!」
「お姉ちゃんと散歩して来てよ!ゆっくりだよ!」
ガチャンッ!!
………。
何なんだ…一体ι
「あらあら、追い出されしまいましたわね」
追い出されたというのに彼女は始終笑顔だった。
「何なんだ…?ラクス」
彼女は何か知っているだろうと思い、問うてみるも━━
「ウフフッ、まあまあ、よろしいではありませんか。子供達のご要望通り、お散歩でもしてきましょう」
「……はぁ…」
上手くはぐらかされてしまい、アスランは釈然としないままラクスと共に浜辺へと散歩に出掛けた。
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