Innocence《完結》
「アスラン、お前なぁ…。一応元軍人だろうが」
受け身くらい取れよι
トップエリートらしからぬ見事な倒れっぷりにカガリはスッキリしたと同時に呆然とした。
「っ…取れるわけないだろう!」
どこの世界に後ろから全力でタックル噛ます女がいるんだッ!!
痛む背中をさすりながら、涙目で訴えるアスラン。
その姿を見て流石にやり過ぎたかなと、少し反省。
ゆっくり立とうとするアスランに手を差し出して、悪かったと素直に謝罪する。
「…いや、俺も悪かったからな」
この数年でカガリの人となりを理解してきたアスランは苦笑しつつも有り難くその手を取った。
立ち上がると、よ~し!じゃあ家までどっちが先に着くか競走だと言って勝手に屈伸を始め走る気満々なカガリ。
「はあ?何でいきなり競走になるんだ」
「良いだろ、なんでも。ほら早く隣に並べよ」
いままで出会ってきた二人の女の子のお陰?で突拍子もない発言には慣れていたが、どうやら根本的な性格は、彼女もキラやラクスと同じ部類のようだ。
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