Innocence《完結》
ピンポーン!
月での仮住まいの家より更に小さな家のインターホンを押して暫く待つ母上と俺。
(この辺りの人たちは、みんな小さい家が好きなのか…?)
そんな見当違いな考えを巡らせていると、中からトテトテと走る音が近づいて来て
ガチャッ
「はあ~い!」
「…ッ!!?」
出てきたのはアスランと同い年くらいの女の子。
「どちらさまですかぁ?」
「//////?!」
コテンと首を傾げると亜麻色の髪がサラリと肩から落ちる。
「あ…////俺、…いや、僕は……」
紫の大きな瞳が俺を見つめてくる。
「アスラ━━」
「まあまあっvV キラちゃんね!キラちゃんでしょう!大きくなったわねぇ」
「ふぇえっ!」
突然、見知らぬ人に満面の笑みで肩を掴まれた少女は、怯えて涙目になってしまう。
「は、母上!キラ(多分)がおびえています。少し落ち着いてください!」
何とか少女から母を引き離そうとするアスランだったが、レノアは全く話を聞かずに、更には自分より先に自己紹介を始めだしたのだ。
「私はレノア、キラちゃんのお母さんのお友達なのよ」
「ぇ…?おかあさん、の?」
その一言でピタリと少女の涙が止まったのでアスランはとりあえず一安心した。
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