whereabouts



「…キラのこと知ってるんですか?」

警戒しつつも物怖じせず俺に尋ねてくるキラ・ヤマトの友人らしき少女。

敬語なのは今の俺が彼女より年上に見えるからだろう。

実際は逆なのだが、確かにこの時点での彼女の対応は正しい。

だが返答に困る。
俺がいた時間軸では何度か顔を見かけた事もあるし、あっちも俺のことは多少なりとも知っているだろうから知り合いと言えばそうだ。

でもこの時刻(とき)の俺達は違う。

ただの他人だ。

いや、今はもっと悪い、怪我を負わされた被害者と負わせた加害者の関係。

だからとっさに

「……初対面だ」

と答えた。

「でも、さっきキラの名前を…」


(うっι!?そうだった……)

顔に出ていたのか、俺の反応にさらに警戒してくる彼女━━名前なんだっけ…。


(ああ~!!もう こうなりゃあ最後の手段だ!)

「あぁ~~…ι。あのな、実は俺…お前の従兄弟なんだキラ!」


「「いっ…従兄弟!?」」

キラ・ヤマト以外は驚き戸惑っていた。当たり前か。

「そうだ!暫く見ない間に大きくなったなぁ、キラ」

って、違~う!!これじゃあ、まるで久しぶりに会う親戚のおじさんじゃないか!!!

「そうなんですか?すみません僕、全然覚えてなくて…」

って!あっさり信じちゃってるしぃー!


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