ニ周年記念小説
「えぇーーっ!?お兄ちゃん、昨日の約束忘れちゃったの?!」
「……」
放課後(仕方なく)三人で帰っている時、話は自然と昨日の事になり……。
「昨日お兄ちゃん、キラお兄ちゃんと遊んで帰って来たとき約束してたじゃない」
━━と全く覚えのない約束の話を聞かされた。
俺は…
(えっ!!約束ッ?!…昨日?そんなの俺したっけ!)
パニックになりながら昨日のコイツとの事を思い出してみた。
*****
二人で遊んでこいと両親に言われて家を出たのは確か三時過ぎだったから、俺たちはかれこれ三時間半はこの公園のベンチにいることになる。
「…なぁ。暗くなったから、そろそろ家に帰らないか」
鮮やかな青から暖かみのあるオレンジ色と少しの藍色に変わろうとしている空を見て俺は帰宅を促してみるも、当のキラは…
「家……、人が住むための建物。住居.家屋。自分の住むところ.自宅。」
「……」
「人が住むための━━」
「あ、いやっ聞こえなかったとかじゃなくてι」
(なんなんだよ~ιこいつ…)
と、的外れな会話が続く。
そんなやり取りを数十分続けた後、俺はなんとか…ほぼ無理矢理だが、家に帰ることが出来た。
だが帰る間もキラが俺の言った事を歩く辞書の如く解説してくれて、とっても有難迷惑だったのは思い出したくもないが覚えている。
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