ニ周年記念小説
「人類最初のコーディネイター『ジョージ・グレン』は━━」
淡々と先生が黒板に書いたこと、話すことをノートに書き写しているキラ・ヤマト。
俺は先生の話もそこそこに昨日の頭の痛くなるこいつとの出来事を思い起こしていた。
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「初めまして、向かいに引っ越して来たヤマトと言います」
昨日、向かいの新しい家に引っ越して来たというヤマトさんがウチに挨拶にきた。
夫のハルマさんはとても優しそうで礼儀正しい人だった。
妻のカリダさんも夫に負けず、優しそうでふわふわとした人だ。
何処と無く、母さんと通じるところが有りそうだなと思った。
そして、その後ろには一人息子のキラが両親たちの会話を無言で聞いていた。
初めて見たときはあまりにも整った顔立ちに女の子かと思ってドキドキしたけどな…。
コーディネイターだと言われれば成る程、両親のどちらにも似ていないのも納得出来た。
ただキラが第一世代っていうのには少しびっくりした。
まぁ、だからどうって訳じゃないけど
そもそも一世代とか二世代とか俺、気にしたこととかないし。
両親たちがそんな話をしてる間もキラは始終何も喋らなかった
。
最初は緊張しているのかと思って、俺は自分から話かけてみることにした。
「俺、シンって言うんだ。よろしくな、キラ!」
俺は明るく挨拶をして、キラに向かって手を差し出した。
「……」
でもキラは俺の方を向くと、ジッとこちらを観察するように上から下まで見てきた。
最後に差し出した俺の手を見つめて━━
「(ボソッ)握手」
小さい声でボソリと独り言のように呟いた。
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