ニ周年記念小説




「初めまして…。キラ・ヤマト、です」


(来た……っていうか、よりにもよって同じクラスかよぉ…)


昨日体験したばかりの訳の分からない疲れが再び押し寄せて来るのをシンは感じた。

クラスでは、あいつのコーディネイターならではの容姿に、そこら辺から「可愛い」だの「頭良さそう」だの、褒める言葉しか聞こえてこない。

(皆、あいつの見た目に騙されやがって…)

最初に騙された自分が言える台詞じゃないが、昨日の出来事で自分は完全に目が覚めた。

もう絶対あいつとは関わらない。

「じゃあ、キラくんの席は━━シン・アスカ」

「…へ?」

「シン・アスカ、手を挙げて」

「は、はい!」

おい!まさか…まさか!?

「あの手を挙げてる黒髪の子の隣がキラくんの席よ」

「Σ!!」

嘘だろっ!? 神様のイジワル!俺が何したってんだよぉお!!!!


項垂れる俺の横に据わるキラ・ヤマト。

「…よろしく」

機械的に発せられた言葉にはなんの感情も窺えず。
それを表すように端整な顔にも無以外の表情はなかった。



ああ…、あの時声掛けるんじゃなかったぁ……。


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