シスコン☆ブラコン《完結》



「あ、お兄ちゃん!」
「キラっ!!」

数時間振りの再会を喜びあう美形兄妹。これなんてメロドラマだよι

ってか、こんな茶番は早く終わらせたい。

「キラちゃん、感動の再会のとこ悪いけどアレ渡しちゃってくれる?」

「あっ!そうだった」

離れていくキラに包容を邪魔されたとばかりに俺を睨むアスラン。
だが、それもキラが戻ってきたことですぐに終わる。

「お兄ちゃん……これ///」

頬を染めてキラは手に持っていた物をアスランにゆっくり差し出した。

「クッキー…、俺に?」

「いつもお世話になってるお兄ちゃんに、感謝を込めて…ちゃんとお兄ちゃん用に甘さ控えめだよ」


「もしかして、ここ最近友だちの家に泊まりに行っていたのは」

「うん、クッキー作りをするため。うちだとお兄ちゃんがいつ帰ってくるか分かんなかったし…」

「熱を出したのも」

「クッキー作るのに頑張りすぎたみたいで…本当は入学式の日に渡したかったんだけど」

「この店に寄り道したのは」

「生地をシンくんのお家の店で預かってもらってて、ここで焼いて家に持って帰って渡そうと…」

捕捉するとこの店はキラちゃんの中学の後輩シン・アスカ♂が家族でやっているお菓子屋だ。

「このクソガキと何もないんだな」

と自分の目の前にいる黒髪の少年シンを指差して睨みつける。

(いやいや、クソガキってさすがに失礼だろう)

「うん、シンくんとは世界が滅亡しようとも何も起こらないよ」

(いや、キラちゃん。それは思ってても言っちゃいけないだろ)

キラの横にいたシン・アスカは可哀想にレジの奥に引っ込み体育座りをして落ち込んでいる。

(あれはきっとキラちゃんに惚れてたな…)

それをあんなに、きっぱりはっきりしっかり言われたら暫くは立ち直れないだろう。


「だって///お兄ちゃんより素敵な人なんてこの世に存在しないもん…//」

「キラぁ……!」

(あ、やっぱりこの子アスランの妹だ……)

「キラ、俺もだよ!キラより可愛いくて綺麗で可憐で儚くて優して凛とした存在を見たことがない」

「そんな///褒めすぎだよお兄ちゃん。お兄ちゃんが素敵なのは揺るがない事実だけど」


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