シスコン☆ブラコン《完結》
「嘘だぁああッ!!!キラが、俺の可愛いキラがぁ!かかか、彼氏なんてぇ~!!」
(うっわぁ…、なんか面白れェ~♪)
自分の言葉であのアスラン・ザラがあたふたと動揺している様は見ていてとても楽しい。
人の不幸は蜜の味と言うやつだ。
「ちょっと、アスラン静かにして下さいよ」
「そうだぞ!落ち着け馬鹿者ッ!!まだ そうと決まった訳ではないだろうが!ディアッカ、貴様も余計な事を言うな!」
「わ、悪りィ…ι」
普段滅多に見られない光景に自分もつい悪乗りしてしまったと少し反省する。
「つーか、俺達このまま此処でキラちゃん待ってるのかよ」
あの店に彼女が誰と何の目的で来たのか、此処でジッと待つだけでは何も分からないというディアッカに、確かにそうだなと頷く一同。
「よし!俺が行く」
「はあ!?」
「馬鹿か!!」
「阿呆ですか!!」
突然の馬鹿兄の発言に三者三様の思いを叫ぶ俺たち。
だが、そんな声もこの男には届いちゃいない。
「当たり前だろう。俺はキラの兄だぞ」
(…一体どう言う理屈だよ、それι)
「いや、お前は兄貴だからこそ、見つかる可能性が高いんだろうが…。それにあそこでキラちゃんに見つかったらアウトだぞ」
『お兄ちゃんのヘンタ~イッ!!! 大嫌い!』な~んて言われたら、お前立ち直れないだろ?
「そうですよ。その点、僕らはまだキラさんには顔はあまり知られていないと思いますし、僕らの内の誰かが行くのが普通でしょ!」
「……」
押し黙ったアスランにやっと分かってくれたかと思い、自分たちの誰が行くかを話し合おうとしたニコルだが。
「…なるほど、そうか。お前たち揃いも揃って俺の可愛いキラを狙っているな」
「「「はぁっ??」」」
アスランの次に出た言葉に俺達は、やっぱりこの男は(最愛の妹が絡んだ時の思考は)タダの馬鹿だと思った。
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