シスコン☆ブラコン《完結》
「角を曲がるぞ!見失うな、行くぞ」
「俺に命令するな!!」
「イザーク!静かに」
「……はぁー」
ここ最近、毎日のように見ている目の前の光景に一人傍観していたディアッカは小さく息を吐いた。
アスランがこんなに過保護でシスコンだったなんて少し前までは想像出来なかった。
(最初の頃は俺も正直、いい印象持ってなかったしなぁ)
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━━━二年前
俺達が出会ったのはプラント高校の入学式の日…。
俺とイザークは幼馴染み。
二人共に恵まれた容姿もあってか、入学生の中でも特に目立っていた。
「おい、そんなカリカリすんなよイザーク」
「カリカリなどしていない。ただ納得がいかんだけだ…」
納得がいかないからカリカリしてんじゃないのιと、言いたいところだが、どうせまた「違う!!」と返ってくるのが分かっているから、何も言わないでおこう。
「はぁ…、新入生代表に選ばれなかったぐらいで…「ぐらいだとぉ!!?」
ザワザワ
「ぇ…何?ケンカ…?」
「…さぁ」
イザークの大きな声に驚いた他の生徒が何事かと俺達を振り返る。
俺が何でもないと片手をひらひら振って済ませようしたが、イザークは俺の襟元を掴み上げて更に声のボリュームを上げた。
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