いつまでも君を



「まぁ!驚かせてしまったのならすみません。わたくし、のどが渇いて…、それに笑わないで下さいね。大分お腹も空いてしまいましたの」

 いきなりの件の少女の登場にその場の人間全員が反応できず、さすがのキラも焦って、どうすべきか急いで頭をフル回転させて考えていた。

「…こちらは食堂ですか?何か戴けると嬉しいのですけど」

「っ…すみません。いま食事をお持ちしようと思っていたところだったんです」

 急いで彼女と自分の食事をミリアリアから受け取り、さぁとラクスに手を差し出して部屋へと促す。

「貴方は…、その…わたくしと食事を御一緒して下さるのです…か?」

呆気にとられたような顔でおずおずと彼女らしくない口調で聞いてきたので、安心させるように微笑んで答えた。

「はい、貴女が…お許し下さるのでしたら…」

 彼女とこれからの事を少し話せればと思ったが、いまは囚われの身。         
 彼女がこの戦艦の中でこれ以上不利な立場になることがないよう僕も限られた中で最大限立ち回るつもりだ。
 もちろん、彼女──ラクスがそれを望んでいればの話だが……


「……ッ、はい!わたくしも貴方さまとお話しながら戴きたいですわ」


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