whereabouts



この原因は間違いなく、あいつらだと俺は思っている。

議長と…俺達と闘い、勝利して全てを手にした あいつら…。


その一人は、いま俺が所属しているザフト軍にいる。

キラ・ヤマト━━それがあいつの名前だ。


「ぁ、おい!見ろよ。“キラ・ヤマト”だぜ」

「相変わらずの仏頂面だな、美人なのに勿体ない」

「………」


あいつがザフトに入隊してきたのは、評議会の要請でラクス・クラインがプラントに戻って暫く経ってからの頃だったか。


容姿はコーディネイターの例に漏れず、と言うかそれ以上だった。

怜悧そうな顔に亜麻色の髪と紫の瞳はよく似合っている。

あれで笑顔など見せようものなら、そこにいる男たちは皆、だらし無く顔をにやけさせる事だろう。
そして、その均衡のとれた身体に纏うのは白服、隊長クラスの証だ。

確かに先の二つの大戦を勝ち抜いてきた奴には相応しいのかもしれない。

気に喰わないけど……。


最初は回りの奴らも興味本位で近づいたり、話し掛けたりしていた。


…でも、そんな奴らも直ぐに離れていった。

何を話し掛けても、その相手キラ・ヤマトは反応を示さないからだ。

仕事以外の話は聞こえていないように何も話さない。

次第にその態度は、英雄の驕りと感じたのか、あれだけ集まっていた奴らは今は遠くから見ているだけ……


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