いつまでも君を



「 ━━よ!」
「フ━━!」

 ストライクの整備も終わり、あとは何か食べていつ襲撃があっても良いように少し仮眠をとろうと予定を立てながら食堂に向かうと、目的の場所から言い争う声がする。

(この声は…ミリィと……フレイ・アルスターか…)


* * * *

「フレイ!」
「嫌ったら嫌!」
「もぉー!なんでよ」

 着いてみれば、思っていた通りの2人が何やら言い合いをしていた。

 近くにいたカズイに聞けば、ラクスの食事を手が空いているフレイに持って行ってほしいとミリィが頼んだことから始まったそうだ。

「はぁ…」

 くだらない言い争いだが、今の自分にとってはありがたい。

「じゃあ、僕が彼女に持って行くよ」

 そう言うと、フレイは分かりやすく笑顔になり、ミリィは戸惑っていた。

「でも、キラこれから休憩なんでしょ。疲れてるのに…」

「ありがとう、でも大丈夫だよ。それに僕も同じコーディネイターだって言ったら少しは彼女も安心するかもしれないしね」


 ━━いや、彼女はおそらく僕に気づいている。目があった瞬間に彼女の瞳が一瞬だが見開かれた。

 三歳の頃から一年ほどしかいなかった自分を覚えてくれていたのだ。顔にこそ出さなかったが、心が震えた。

だが、と少し冷静になる。
覚えてくれていたのは確定だけれど、それと彼女の心がまだ自分にあるかは別物だ。

最後に会ってから十三年。
新たな婚約者がいたとしても何ら不思議ではない。

「ごめんねキラ。女の子同士のほうが良いかと思ってフレイに頼もうと思ったんだけど…」

「何よ!あの子がすっごく強くて、運動神経も良かったらどうするのよ!」

「…いや、あの子は君に飛び掛かってきたりしないと思うけど…」

カズイが呆れながら言ったことにはキラも同意だ。ラクスは追い詰められたからといってそんな短絡的な行動にはでない筈だ。


「まぁ、誰がすっごく強いんですの?」

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