いつまでも君を



ザフトがコロニーを攻めている。避難している人からの情報を聞いてカガリはいても立ってもいられず走り出した。

「カガリ止まるんだ!!」

「キラ?」

「みんなは先に避難してて!僕はあの子を連れ戻して一緒にシェルターに入るから!」

「ゎ、分かった!気をつけろよ!」


 友達と別れてすぐに追ったつもりだったが姉の姿は粉塵に阻まれ見失ってしまった。

(行き先の見当はついている。きっと工場区だろう)

 父を敬愛している彼女のことだ、言葉だけではなく自分の目で真実を確かめたいのだろう。

 だが、いくらなんでもこの状況でこの行動は悪手だ。姉は感情で動くタイプの人間だから単純であり、かつ何をするか予測のつかない人でもある。

(急がないと…)




* * * * *



オーブは中立国だ。
他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない。

 そんな崇高な理念を掲げ、成し遂げる父にカガリも共感し尊敬した。

 そんな時に聞いた噂だった。
あの大好きな父が、オーブのモルゲンレーテが地球軍のモビルスーツ製造に協力をしている等。

嫌な予感がした。

父に言ってもまるで相手にしてくれない。双子の弟──キラに相談しようかと思ったが別のコロニーに留学していると言われた。
 
 キラが帰ってくるのを待っていられない。だから確認するために一人でココに来た。

(あぁ……やっぱり)


相手にしてくれない父に疑念が沸いてしまった。だから帰ってきたら笑い飛ばして欲しかった。あんなデマを信じたのかと


なのに……!!

「お父様の裏切り者ぉー!!!」

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