いつまでも君を



必ず迎えに行くから……

 立派な為政者になって、オーブとプラントがまた以前のように友好な関係になれるように頑張るから。

ーー例え、そのとき君の隣にいるのが僕じゃないとしても…



* * * * *

 オーブ連合首長国所有──
資源衛生『へリオポリス』




「………こんなところかな」

 纏めたデータを転送して漸く一息ついた。
 ここに来た目的も達成できたし後は本職に任せればいい。

 自分のここでの役目もこれで終わり、転校手続きはヤマト夫妻にお願いすれば良いし、家に帰ったら早速荷物を纏めておこう。

う~っと猫のように両手両足を伸ばす少女とも少年ともつかない容貌の人物はこれからの事に想いを馳せながら、空を見上げる。

 人工の空だが、透き通った綺麗な水色を見て思い出すのはいつだって愛しい彼女の姿。
国同士の友好の証にと政略的に婚約した少女ーーラクス・クライン

長いピンクの髪の愛らしく聡明な少女。

『キラ!』

一目惚れで初恋だった。

…だが婚約するのが政略なら破談するのもまた政略だった。

 まだ公にしてないこともあり、僕たちの婚約関係は当人たちの知らぬところで静かに破棄されていた。

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