whereabouts



走りながら思わずキラに向かって伸ばした腕。

…でも、その足と腕は思わぬ形で止まる事となった。

「アスラン…?」

(…えっ!?)

キラのその言葉で俺ばかりかナイフを構えて向かって来たザフト兵の動きまで止まってしまった。

━━そして……。


「…ラ…!?」

遠くてよく聞き取れなかったが、口の形から確かに「キラ」と言っているのが分かった。

(じゃあ…あのザフト兵は、本当にアスラン!?)


互いにとってのあり得ない場所での再会に見詰め合ったまま、次の言葉も発せないキラとアスラン。

「何なんだよ…マジで訳分かんねぇ」

確かアスランは先の大戦ではザフト軍だったのはルナマリアから聞いて知ってたけど、ヘリオポリスでの強奪部隊にいたのは知らなかった。
……というか、俺、あの人のこと元ザフト軍で先の大戦の英雄、ってぐらいしか知らない。

キラ・ヤマトとも先の大戦で知り合ったんだとばかり思っていた。

でも、いま目の前にいる二人は互いの名を呼んでいる。
つまり……

(それ以前、もっと小さい時からの知り合い…幼馴染みってことか…?)

ミネルバにいた頃もそんな任務に関係がない話なんかアスランとはした事がない。
…別に、だからどうって訳じゃないけどさ…。


━━それからは、あっという間だった。

負傷した肩を庇いながらアスランを銃で追い払った女兵士は、キラを体当たりで無理矢理コックピットに押し込むと俺にも死にたくなければ早く乗れと言ってきて、俺は慌てて飛び乗った。


そして色々あって、今に至る訳だが━━…。


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