whereabouts
「ハマナ!ブライアン!早く起動させるんだ!」
キャットウォークを全力疾走している俺とキラの横では、絶えることなくザフトと地球軍の銃撃戦が繰り広げられていた。
「…ぁ!」
「……キラ?」
突然立ち止まったキラ・ヤマトを不信に思い振り返って名を呼べば、キラは焦った様子でキャットウォークの手摺りに身を乗り出し「危ない!!」と大声で叫んでいた。
キラの視線の先にはオレンジの作業服を来た地球軍の女兵士。
そして女兵士が弾切れの銃を向けている先には素早く身を隠すザフト兵の姿が。
(なるほど、あの地球軍兵士がザフト兵に狙われてたって所か…)
━━にしても、本当にお人好しなんだな。
「こい!」
「は?」
いきなりその地球軍の女兵士は俺達に向かってこっちに来るように言った。
俺達がシェルターに避難出来なかったのだと判断したんだろう。
(まぁ、間違っちゃいないけどな)
でも!したくてもアスハの所為で為損(しそこ)なっただけだけどな!
「左ブロックのシェルターに行きます!お構いなく!」
いや、『お構いなく』って、お前…
「あそこはもうドアしかない!!」
「ぇ…」
「はああっ!?あんた何言って━━」
ドオォォーーン!!!!
「……ι」
俺が叫ぶとほぼ同時に俺達が進もうとしていた入口が目の前で大爆発をおこした。
(あ…あっぶねえええええ!!!!!)
キラ・ヤマトがここで止まってなかったら俺達確実に死んでたな……。
そこだけは不本意だが感謝した。
「こっちへ!」
そう言いながら地球軍兵士はG の上を移動する。
俺達もその人に合わせて下りる階段を探してまたキャットウォークを右往左往したが見つからず、焦っていた俺の前で、またしてもキラがとんでもない行動に出た。
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