夢のカケラ
その小鳥はキラさんの撫でる手が気持ち良いのか、自ら手に擦り寄っていった。
「この子、キラお姉ちゃんのことが好きみたいだね」
「…だな」
嬉しそうに小鳥と戯れるキラのその姿に、シンも嬉しくなった。
キラが喜んだり笑ってくれれば、自分も嬉しい。またその笑顔を見たいと望む。
ずっと微笑んでいて欲しい。
辛かった過去を心の片隅に追いやれるぐらいに━━
出来れば自分の傍で…
こんな願い、高望みだと解っている。
こうして同じ家で暮らしているだけでもキラを好いている者から見れば贅沢な願いだと…
でも抑えることが出来ない。
その気持ちは、キラと共に生活していく時間に比例して膨れ上がっていった。
俺は…彼女のことが
本当にどうしようもないくらい…
━━好きだから
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