夢のカケラ
━━━5月18日.
パンッ! パンッ!!
「「キラさん(お姉ちゃん)お誕生日、おめでとう~!!!」」
「ありがとう…シン君、マユちゃん///」
照れ半分、嬉しさ半分といった感じではにかむキラ。
「さぁ、キラちゃん。
ケーキが目の前にあるから、ロウソクの火を消してちょうだい」
出された特大ケーキは母さんとマユが昨日から準備して今朝やっと完成させたものだ。
キラさんは、はい、と頷いて息を吹き掛けるが、16本もあるのに一吹きで消せるわけがない。
母さんはケーキのお皿を回して、まだ火がついているロウソクをキラさんの前にもっていき、ゆっくり最後まで吹き消さしてあげていた。
「あと3本だよ!」
俺達もちゃんと最後の火が消えるまで静かにそれを見守る。
「おめでとう、キラちゃん」
「ありがとうございます」
「16歳、おめでとう
キラくん。この子は私たちからだ」
━━ピィッ!
「…と…り?」
「わぁ!可愛いー」
父さんはピンクのリボンがかかった鳥籠をテーブルに出した。
中には黄緑色の小鳥がいて、首を傾げながら此方をずっと見つめている。
カチャッ
籠を開けて指を差し出すと馴れているのか、賢いのか、素直に父さんの人差し指に移った。
父さんはその小鳥をキラさんの肩にそっと乗せてあげる。
━そぉっ
━ビクッ!
キラさんは予告もなしにいきなり肩に何かが触れた事が怖かったのか身を竦めていた。
━━ピィ?
「あ…」
最初は少しびっくりしているようだったけど、すぐに慣れたみたいで、恐る恐る小鳥が留まっているだろう肩へと手を伸ばす。
潰さないようにゆっくりと、包み込むように優しく
優しく…撫でてあげた。
「わぁ……///」
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