夢の始まり〈後篇〉
互いに名前だけで呼ぶようになった。(これはマユに言われて初めて気がついた)
キラとの仲も順調に深まっている。
そんな時に、ふっと思った。
今の俺って、キラのなかで、どの位置にいるんだろう…
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「シンの位置?」
「友達以上恋人未満…ってな感じの…?」
「あ…あぁι」
何気に言ったロディーの『例』に俺はグサッときた。
もしかしたらと予想している位置だから
「そうね…。普通の友達よりは上かしら」
「親友~…って感じ、でもないよなぁ。う~ん」
「…それって、友達以上恋人未満に近いってことか…?」
「…違うと思うわ。でも、本人に聞いた訳じゃないから明確な答えは分からないけど」
「…おっ!そう言えばさ、シンにとってのキラさんはどのポジションなんだ」
「えっ」
俺の中での…キラの位置…?
ん~、そうだなぁ。
唯の友達なんて論外だし、家族や兄弟の好きでもない。
親友…って言うのとも違う。ロディーやリンと一緒にいても、こんなに心臓がドキドキしたり、緊張すること無いもんな…
やっぱり他の人と同じになんて考えられない。
この気持ちは、キラにだけ向けるものだから。
だから『別格』としか言いようがない。
俺の中に、新しい感情と場所が出来たってことなんだと思う。
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