夢の始まり〈後篇〉




互いに名前だけで呼ぶようになった。(これはマユに言われて初めて気がついた)

キラとの仲も順調に深まっている。
そんな時に、ふっと思った。

今の俺って、キラのなかで、どの位置にいるんだろう…



******


「シンの位置?」

「友達以上恋人未満…ってな感じの…?」


「あ…あぁι」

何気に言ったロディーの『例』に俺はグサッときた。
もしかしたらと予想している位置だから

「そうね…。普通の友達よりは上かしら」

「親友~…って感じ、でもないよなぁ。う~ん」


「…それって、友達以上恋人未満に近いってことか…?」

「…違うと思うわ。でも、本人に聞いた訳じゃないから明確な答えは分からないけど」


「…おっ!そう言えばさ、シンにとってのキラさんはどのポジションなんだ」

「えっ」


俺の中での…キラの位置…?


ん~、そうだなぁ。
唯の友達なんて論外だし、家族や兄弟の好きでもない。

親友…って言うのとも違う。ロディーやリンと一緒にいても、こんなに心臓がドキドキしたり、緊張すること無いもんな…


やっぱり他の人と同じになんて考えられない。

この気持ちは、キラにだけ向けるものだから。


だから『別格』としか言いようがない。

俺の中に、新しい感情と場所が出来たってことなんだと思う。


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