夢の始まり〈中篇〉



そのロボット鳥━━“トリィ”をどういう気持ちでアスランが僕にくれたのかは分からない。


友情の証だったのか


それとも━━


…だけど、やっぱり聞けなかった。

もし違って、気まずいままお別れするなんて絶対に嫌だったし。

それに、悪い方の『もし』ばかりが頭の中に浮かんで、とてもじゃないけど僕には無理だった。


『きっと、また逢えるから━━』

ちょっと困った笑みを浮かべて彼が最後に言ってくれた言葉。

戦争になんかならない、今はちょっと離れるだけだからと、泣きそうな僕を何度も宥めてくれた。

僕もその時は、まさか本当に戦争になるなんて思ってなかった。

でも……


ヘリオポリスで自分の身に危険が降り懸かって来てようやく分かった。


僕達がいるこの世界のナチュラルとコーディネイターは“戦争”を…


いや、地球軍とザフトは殺し合いをしているんだと━━…


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