夢の始まり〈中篇〉
あの後ベッドに戻るのに、シンの肩を借りた時もキラの心臓はドキドキしっぱなしだった。
もしかして顔が赤くなってるかも!と頬に両手を当てたけどよく分からない。
シンが何も言ってこないから大丈夫だとは思うのだけど……
「キラさん?大丈夫ですか、なんかぼーっとしてますよ?」
「へ!あっ、大丈夫だよ!ごめん、ちょっと考え事してて…」
「考え事…って、もしかして俺だけキラさんが家に住むのを知らなかった事ですか?だったらもう大丈夫ですよ。あの後、ちゃんと父さん達から話聞きましたから」
だから、ホテルは探さなくても良いですよと言うシンに
そういえば、さっきはそんなことを考えてたかも……とぼんやり思う。
(うぅ~、僕ヘンだ。何も考えられなくなってる、さっきまで何もなかったのに、なんで?)
いままで感じたことのない自分の心に混乱するキラ。
こんな気持ちになるのは、幼馴染みのアスランと一緒にいた時以来かもしれない。
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