夢のカケラ
「あぁ、お前さ…キラさんのプレゼントって、
もう買ったのか?」
「……はっ?」
マユは唖然とした面持ちでシンを見つめた後、下を向いて肩を小さく震わせていた。
「?、おい…聞い」
「何言ってんのよ!!!
お兄ちゃん!馬鹿ぁ?!」
いきなりの妹の迫力のある大声と恐ろしい位の威圧感に、思わずシンはたじろいだ。
「今日が何日か分かってる?16日だよ!16日!!
お姉ちゃんの誕生日は18日なんだよ!!」
信じられない!ともう怒りを通り越して呆れ顔で兄を見るマユ。
言われた事全てが正論なので何も言えないシン。
「わ…分かってるよ、それぐらい」
でも、本当に何を選んだら良いか分からないのだ。
キラさんは物欲とか乏しそうだし…
たぶん何をプレゼントしても満面の笑みで喜んでくれるだろうからなぁ~///
『嬉しい、ありがとう…シン君。大好き!(ニコッ)』
━━とか、いってくれたりしてぇ~//////
「あぁ~はいはい、妄想はいいからι……。
(コホンッ)…やっぱり、街に行って実物を見た方が決まるの早いと思うよ」
もう時間もないんだし、という妹の提案もあり俺はプレゼント探しのため、街に繰り出すことにした。
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