夢の始まり〈中篇〉




「あっ、もしかして…シンくんのお友達?」

隣にいるシンを仰いで聞いてみると彼は短い溜め息をついた後、諦めたように「…そうです」と呟いた。

「初めましてキラさん。シンの友達のコリン・ウォービルです」

彼女はゆっくりと…だが、はっきりした口調で自分の名とシンとの関係を端的に告げる。

「はい!は~い!俺は友達その2、ロディー・ファレル。よろしくぅ~!」

その間から無駄に元気なロディーの紹介。

それにキラは一瞬呆けてしまう。

「あっはい、キラ・ヤマトです。初めまして、ウォービルさん、ファレルさん」

キラの丁寧な喋り方にリンは思わず苦笑する。

「敬語はいいですよ。私達の方が年下なんですから。それと私の事はリンって呼んで下さい。
シン達もそう呼んでますから」

「じゃあ、俺の事は、ロディーくんvVって…Σうぐっ!!?」

「???」

途切れたロディーの言葉にキラは首を傾げ、見てしまったシンは思わず顔を引き攣らせる。

「じゃあシン、あたし達用があるから…キラさん、また今度ゆっくりお話しましょうね」

「はいっ!また…」

「あ、あぁ…明日、な」


「ちょっ、リンお前っ!
いまのはマジで痛かったぞ!!」

じゃあね~、とリンは当初の約束通りロディーの首根っこを掴み、ずるずると無理矢理引きずって行く。


11/30ページ
スキ