夢の始まり〈中篇〉
「あっ、もしかして…シンくんのお友達?」
隣にいるシンを仰いで聞いてみると彼は短い溜め息をついた後、諦めたように「…そうです」と呟いた。
「初めましてキラさん。シンの友達のコリン・ウォービルです」
彼女はゆっくりと…だが、はっきりした口調で自分の名とシンとの関係を端的に告げる。
「はい!は~い!俺は友達その2、ロディー・ファレル。よろしくぅ~!」
その間から無駄に元気なロディーの紹介。
それにキラは一瞬呆けてしまう。
「あっはい、キラ・ヤマトです。初めまして、ウォービルさん、ファレルさん」
キラの丁寧な喋り方にリンは思わず苦笑する。
「敬語はいいですよ。私達の方が年下なんですから。それと私の事はリンって呼んで下さい。
シン達もそう呼んでますから」
「じゃあ、俺の事は、ロディーくんvVって…Σうぐっ!!?」
「???」
途切れたロディーの言葉にキラは首を傾げ、見てしまったシンは思わず顔を引き攣らせる。
「じゃあシン、あたし達用があるから…キラさん、また今度ゆっくりお話しましょうね」
「はいっ!また…」
「あ、あぁ…明日、な」
「ちょっ、リンお前っ!
いまのはマジで痛かったぞ!!」
じゃあね~、とリンは当初の約束通りロディーの首根っこを掴み、ずるずると無理矢理引きずって行く。
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