夢の始まり〈中篇〉
モルゲンレーテに着く間も話題はキラさんの事ばかり。
と言っても、殆どロディーが一人で喋っている状態だ。
ちゃんと自分の事を紹介しろだの
突然押しかけるのに手土産の一つも買う金を持ってないだの
(良いんだよ!お前はキラさんの家には上がらずに帰るんだからな!)
「余計な事すんな!!」と喉元まで出かかった言葉を飲み込んでシンは始終無言で歩いた。
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「あれ?あの人達、モルゲンレーテの社員…だよな?」
整備服着てるし、とロディーが指差した方向を見ると四人の男━━というよりは少年がいた。
父さん達が着ている作業着と同じデザインの物を着ているから、彼等はモルゲンレーテの作業員なのだろう。
ロディーが疑問形で言ったのは、その人達があまりに若すぎるから。
自分達と比べてもそんなに歳は違わないように見えた。
「あの人達、社内にも入らないで何やってんだ?サボリか?」
「アンタじゃないんだから……でも、本当に何してるのかしら」
「…さぁ?」
不思議…というか不審に思った俺達は、その人達に話しかけてみることにした。
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