夢の始まり〈中篇〉
カツ、カツ、カツ
カツカツカツ
コツコツコツ
カツ、カツ……ピタッ!
「………。お前ら、本当について来る気か…ι」
「当たり前だろ!」
「当たり前でしょ!」
いつも合わない二人がこの時ばかりは息ピッタリに答えた。
そのことに深い深~い溜め息をついて肩を落とす。
(何で当たり前なんだよ。…しかもハモってるし…ι)
今更ながらに二人に話すんじゃなかったと後悔する。
ポンッポンッ
「…んっ?」
軽く肩を叩かれて振り向くとリンがウインクしてシンに囁いてきた。
「安心して、一目キラさんを見たら、ロディーを無理矢理引っ張ってでも帰るから…ね!」
「むぅ……」
あんまり納得行かなかったが、今はリンのその言葉を信じることにした。
「絶対だぞ!」と念を押せば「任せて!」と力強い返事が返って来たので、シンは少し安心する。
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