夢の始まり〈中篇〉
「子犬…」
そんなに自分は態度があからさまだったのだろうか。
確かに感情の波は一般よりも豊か(良く言えば)だとは思っていたけど
子犬って…ι
項垂れるシンを見てロディーが余計な一言を
「発情期の犬のほうが良かったか?」
…………。何でお前は、そっちにいくんだ…
「もう、子犬でいいです…(泣)」
「よぉーし!それじゃあ、話も纏まった所で」
何がよぉーし!なんだよ!
話も纏まってねぇじゃねーか!!
「放課後に『キラさんと友達程度になれて良かったなシン会』しようぜ!」
程度って言うな、程度って!
しかも何だ、そのネーミングセンスの無さは!!?(前から知ってたけど…)
心中で間髪を容れずにツッコミをいれ続ける…が、放課後という言葉に重大な用事を思い出す。
「あっ!でも俺、その会に行けねぇから」
その一言でロディーの馬鹿でかい独り言がピタリと止まる。
「………。はあ~?お前は馬鹿か?」
お前に言われたくないとシンは思いっ~きり、嫌な顔をしてやった。
「『キラさんとお友達程度になれて良かったなシン会』だぞ『シン会』!」
主役いなくてどうすんだよ!
「…しょうがねぇだろ、放課後はそのキラさんに会いに行くんだから」
…………。
「あらぁ!」
「なにいぃーーっ!?」
ウルセーな…
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