夢の始まり〈中篇〉





「子犬…」


そんなに自分は態度があからさまだったのだろうか。

確かに感情の波は一般よりも豊か(良く言えば)だとは思っていたけど


子犬って…ι



項垂れるシンを見てロディーが余計な一言を

「発情期の犬のほうが良かったか?」





…………。何でお前は、そっちにいくんだ…





「もう、子犬でいいです…(泣)」



「よぉーし!それじゃあ、話も纏まった所で」


何がよぉーし!なんだよ!

話も纏まってねぇじゃねーか!!


「放課後に『キラさんと友達程度になれて良かったなシン会』しようぜ!」



程度って言うな、程度って!

しかも何だ、そのネーミングセンスの無さは!!?(前から知ってたけど…)


心中で間髪を容れずにツッコミをいれ続ける…が、放課後という言葉に重大な用事を思い出す。


「あっ!でも俺、その会に行けねぇから」


その一言でロディーの馬鹿でかい独り言がピタリと止まる。


「………。はあ~?お前は馬鹿か?」


お前に言われたくないとシンは思いっ~きり、嫌な顔をしてやった。


「『キラさんとお友達程度になれて良かったなシン会』だぞ『シン会』!」

主役いなくてどうすんだよ!


「…しょうがねぇだろ、放課後はそのキラさんに会いに行くんだから」



…………。





「あらぁ!」

「なにいぃーーっ!?」




ウルセーな…



4/30ページ
スキ