夢の始まり〈中篇〉




ゴックン!
「シンがキラさんを選んだことにだよ。
お前は同い年か年下を選ぶと思ってたからなぁ~」

年上は考えてなかったというロディーにシンは「そうか?」と首を傾ける。


「あら、私は“年上”も想定内だったわよ」

「そりゃあ、お前の話だろうがι」

「違うわよ!」


ロディーは少し疑わしげにリンを見た。

リンはクラスの女子達と違って落ち着いている。

コーディネイターというのもあるだろうけど、もちろん容姿も整っていた。
切り揃えられた長い黒髪に蒼い瞳はとても理知的に見える。


そんな彼女の好みのタイプは年上で包容力のある人らしい。

三十代前半まではOKだと言うが、さすがにそれは犯罪だろう。



リンは心外だ!とでも言いたげにロディーを睨んでいたが、持ち前の冷静さを取り戻して何とか本題に戻った。


「シンって頭にくると直ぐに反発するけど、気に入った人には、とことん懐くじゃない?」


子犬みたいにね~♪と常のシンを思い出してクスリと微笑する。



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