夢の始まり〈前篇〉







本当に…




本当にキラさんに逢えるんだ。




逢ったら何を話そう。


最初の挨拶は、やっぱり「お久しぶりです」…になるのかな?


キラさんが俺の事を覚えているとは限らないけど、父さん達が少しは話してると思うから忘れられてるって事もないだろうし…


ああっ!!俺、どうしよう!
凄く緊張してきた!


「……ン…。…シン」


「あ…え? 何?父さん」




「着いたよ」


「ぇえっ!もう!?」


窓から外を見ると、クリーム色の綺麗なマンションか目に入った。

「ここがキラくんが生活しているモルゲンレーテの宿泊施設だ」



ここにキラさんが━━





「あれ~?アスカさん。
今日は休みじゃなかったんですか?」


マンションに入ろうとした俺たちに、黒髪の若い男の人が声をかけてきた。

いつか父さん達が着ていた作業着を着ていることから、この人が父さん達の同業者だと言うことが解った。

「あぁ、今日はちょっとな…。仕事じゃない」


「そうなんです?
俺、アスカさんもヤマトちゃんみたいに主任に呼び出されたのかと…」


「え?」



ヤマト…




「キラくん、ここにいないのか?」


「えぇ、先ほど急な仕事が入ったって…。主任が寄越した車で本社まで…
あっ!もしかしてヤマトちゃんが言ってた用事ってアスカさんとだったんですか?」



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