夢の始まり〈前篇〉
ダダダダーーーッ!!!
「父さん!母さん!」
「あら、お帰り。シン」
「お帰り」
「あ、ただいま……じゃなくて!!」
ついついマイペースな両親の空気に流されかける…が!今は流されてる場合じゃない!
「本当なのか!キラさんがウチに来るって!」
「ウフフ、本当よ。だからお母さん、今からお料理頑張っちゃうわ♪」
「…もしかして、母さんが強引に誘ったんじゃないだろうな」
キラさんは、いかにもそう言う誘いにNO!と言えないタイプの人みたいだったから、二人に押しきられたんじゃ…。
「違うよ、シン。父さん達はちゃんと彼女の意見を尊重した上で、来るかどうかを聞いたんだ」
「…分かったよ、…ごめん」
でも、だとするとキラさんは物凄く、危険意識が低い人だ。
子供の頃とか、絶対にお菓子を貰ったら、知らないおじさんにも平気で着いていく子だったに違いない。
俺がしっかりしなきゃ!
今度の休み、キラさんが来た時にでもそれとなく聞いて注意しないと……うん!
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