夢の始まり〈前篇〉
「“勘違い”って、相手の事が好きじゃなかったって事だろ?」
「そんな事ってあるのか…?」
「多いか どうかは解らないけど…。あるのは確かよ、例えば━━」
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「…ふーっ、……疲れたι」
あの後、リンの言う『勘違いの恋』話をロディーと帰るまで聞いて、盛り上がっていた。
リンが言うには、家族に対する親愛と間違えたり、
危険な場所での出会い・告白。
よくは解らなかったが、危ないドキドキを告白された人へのものだと錯覚するらしい。
オーブは外の国と違って戦争してないし、キラさんと会ったのは海の見える丘だけど危険は感じなかった。
…妹や家族の好きとも違うと思う。
まだ一度会っただけだから何とも言えないが…。
そう言ったら
『これから会瀬を重ねて、よ~く考えなさい。
告白した後に気づいたんじゃ、遅いわ。二人とも傷つく事になるわよ』
キラさんが傷つく…
ズキッ!
それはイヤだ。
キラさんの悲しそうな顔なんて見たくない…
━━絶対に…
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