夢の始まり〈前篇〉
「あら、おはよう シン」
「シン、おはよう」
………プイッ!
「!?…ムカッ、……おはよう」
妹のその態度にさすがに腹が立ったが グッと堪え、マユの隣の椅子に黙って座り、目の前に用意された朝食をただ、黙々と食べ始めた。
《次のニュースです。
昨日おきた、L3宇宙域のオーブの資源衛生コロニー・ヘリオポリス崩壊に伴い、行方不明となっていた多くのヘリオポリス市民の乗る救命艇が昨日未明、オーブ宇宙軍により発見され、無事保護されました。
これを受けてアスハ代表首長は…》
「まあっ!無事に見つかったのね。良かったわぁ」
「あぁ」
母さんも父さんも酷く安堵した様子だった。
昨日、ヘリオポリスがZAFTの襲撃にあって崩壊したってニュースで流れた時には驚いたけど…
俺たち家族や周りには何の変化もなく、ヘリオポリスの事件は遠い世界でおきた出来事の様に考えていた。
彼女に出逢うまでは━━
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