夢のカケラ




じぃー――――

「「「…………」」」


「…………///」


ツン、ツン

(お兄ちゃん、早くしなよ!)

(わっ、分かってるよ!)

「…?」



とうとう自分の番が来た。

いままで自分なりにキラが喜びそうな事は幾つかやってきたが、こうやって面と向かって物を渡すのは今日が初めてな訳で……

いま、俺の心臓はバクバク言ってるし、手のひらは汗でベトベトだ。

緊張のしすぎで倒れるんじゃないかと思うほどに、身体中の血液は顔に集まってくるような気さえした。

とりあえず、深呼吸をして━━

落ち着けよぉー、落ち着けよ、俺…

よし!

「キキッ、キラさん!!!」

「は、はいっ!!」

深呼吸の効果は微塵もなく、口からはどもった声しか出てこなかった。

それでもここで止めるわけにはいかない!

「たっ!誕生日!おめでとうございます!!」

「……ありがとうございます///」


~~駄目だ!!?

その顔は反則だよ、キラさん……////


頬を染めて返してくれた極上の笑みと言葉に、俺の緊張の度合いは正に最高潮目前だった。

「~~////これ!おれからです!!」

その言葉と同時に勢いよくプレゼントをキラの目の前に差し出す。


9/14ページ
スキ