夢の始まり〈前篇〉



オーブの綺麗な海が一望できる小高い丘。


そこに彼女はいた。

肩にかかる程の亜麻色の髪を風に遊ばせ、後ろからでも分かる華奢な体は、軽く車椅子に預けられている。

その視線の先は、空とも海とも知れない場所を見ている様だった。



ガサッ!

「っ!………」

「…!…。誰か…いるの?」


「ごめん!驚かせるつもり…は……」








━━多分、その時から…







━━俺の夢は……








━━始まったんだと思う…








━━俺と彼女…








━━キラの夢は…












1/30ページ
スキ